教師力向上への道。アラフォー教師の徒然日記

30代後半の小学校教員。学びやこれまでの実践の振り返りを綴っていきます。

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概念がわかるって難しいなあ~算数の授業のふりかえり~

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 数年前の学級だよりシリーズ。7月13日付で発行した129号では、算数科「比」の学習を取り上げています。メインで取り上げたのは子どもたちが比の問題場面を理解するために描いた図。「人と違うことをしよう」「人のをちょっと変えてみよう」そのような姿が見えたからです。負けず嫌いという形容もできそうですが、私としては「創造性豊か」と、直接文章では書いていませんがそのように形容した場面です。

 一方で45分の流れを見てみると子どもたちの「比」の概念が不十分なまま授業を進めてしまったなと今更ながら感じます。(当時も思ったと思いますが。)そのあたり最後に振り返ってみたいと考えています。

 

 

写真で見る「表現」~算数「比」の学習~

「比」の学習で、次のような問いを投げかけました。

  • 6年〇組で30000石のお米がとれたとします。MさんとKさん2人で作りました。2人がつくった比を1:5とするとそれぞれ何石のお米を作ったのでしょうか。

 自分で考えたあと黒板に走る子どもたち。M、F、K、Hです。何をしているかというと・・・図を描いています。式だけで言うならば

30000÷6=5000

5000×1=5000

5000×5=25000

で終わります。ここで子どもたちに考えさせたいのは

「なぜ『6』で割るのか」「なぜ「1」や「5」をかけるのか」

式の背景にある映像です。

 子どもたちのつぶやきを聞いていて「すごい」と思ったのが・・・

「(縦にかくなら)横に描こう」

「ピザ図もあるよ」

「ビザ図がわかりやすい」・・・

といったものです。実際に出来上がった図が下の写真。リットル図、線分図、ピザ図と共にあたらしい図が登場。

f:id:dutch2017:20180706113315j:plain

 3つが「全体」を意識した図であるのに対し、1つは「部分」に焦点をあてた図。「比」を量的に表すとこうなります。「1:5」を表すのに4種類もの図が登場するとは驚きました。これらの図を見ると、「30000はどこか」「5000はどこか」「÷6の意味」「×5の意味」が一目でわかります。

もう1問解いた後、レベルアップ問題。

  • T君とH君の銀スタンプの比は3:5です。T君の銀スタンプは15です。H君は銀スタンプをいくつもっているでしょう。

  さきほどは全体がわかっていて部分を求める問題。今回は部分がわかっていて部分をもとめる問題です。子どもたちの思考が一旦止まります。それは「15」がどこかつかめなかったからです。そこで作業を止めさせて黒板にリットル図を描きました。

「全体をいくつにわけますか?」    「8です」

「なぜですか?」           「3:5だからです。」

「15はどこですか?」        「3です・・・あっわかった!!」

それぞれがノート、ホワイトボードに向かい始めました。

ふりかえり

 単位に「石」を登場させているあたり、社会科とのつながり感じます(笑)。算数の授業ではやたらめったらと子ども達には言われそうですが図を描くことをうながします。画像優位性効果・・・とその当時は知りませんでしたが、視覚情報は視覚と音声と複数でコード化することが可能です。つまり記憶に残りやすいということです。

 また、図には関係性が、その人が関係性をどのようにとらえているのかが現れます。全体の中で位置づけているのか、異なる「部分」同士を比べ得ているのか。さらに、子どもたちが描く図はいわば「プロトタイプ」。それで完成ではありません。外在化されているからこそ、他者と比べやすく、さらなる改善点を付け加えやすくなります。

 説明も「目に見える何か」があった方が説明に使用する言葉と対応させることが可能になります。特に式の裏側に子どもたちがどのような景色を見ているのか、暗黙の背景を明らかにするには図式化がいいなと思っています。

 

 今振り返ると、子どもたちが描いた図をもっと活躍させていたらと思います。最後の問題、問題の質、問われるべき箇所が変わると頭に「?」が浮かんだ子が何人かしたからです。「比」の概念の理解が十分ではなかったなと感じます。図はノートなりホワイトボードなりに描いていたとは思うのですが、数字との対応に戸惑っていたのだと思います。

 概念の理解には「外延」「内包」「名辞」が必要と言われています。名辞は名前、この場合「比」。内包はある程度抽象化された比の特徴。外延はいわば具体例です。全体がわかっていて部分を求めるような比の具体例はあるけれども、部分がわかっていて全体を求めるような具体例が不十分だったと考えられます。子どもたちが考えてくれた図を使って、全体がわからない場合、部分がわからな場合と具体例をいくつかやった上で最後の問題にいけばよかったと反省します。

 図の枠組みとしては変わらないのだけど、割り当てる数字の場所が変わる。既に「比」を学習しある程度習熟している大人に取ってみると「そんな簡単なこと」なのかもしれませんが、「今まさに学習しているぼくたち、わたしたちにとっては『そんな簡単なこと』ではありません!!」と子どもたちから叱られる声が聞こえます。

 

 認知や行為は状況に埋め込まれるといいますが、状況が違えば引き出される「授業の形」も変わってくる。だからこそ子どもたちの事実から学び続けないといけないんだなと改めて強く感じます。

 

 最後までお読みくださりありがとうございました。

 

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